腹黒元副盟主のわななき

フリンテッサ鯖「xxxMZRxxx」血盟所属の腹黒い事務員カタリナのリネとは無関係の駄文集

【腐りゆくリナのお話(前編)】

普通の小学生だったわたしが、腐り堕ちオスとオスの夜のわななきの世界に目覚めたのは、今から20年以上前、女子児童たちが多目的ホールに集められ、理科で習った植物の受粉、おしべとめしべの関係を、ほ乳類に置き換えて保健医(30代独身女性)から説明されたときでした。いわゆる性教育というやつです。私の通っていた小学校の保険医は少々頭のおかしいところがあり、ほ乳類の交尾を女生徒に説明する際のイラストが何故か馬。もちろんイラストなのでコミカルに描かれてはいるけど、これリアルを想像したらこの上なくグロテスク。奇跡の惑星・地球での生命の誕生はかようにグロテスクだと哲学的なことを女子児童に言いたかったのか、はたまたこの先の人生で「馬並みなのね」というセリフを吐くことがあるかもしれない女子の記憶の片隅に引っかき傷をつけたかったのか、当時はさほど深く考えることはありませんでしたが、今思うとあの保険医アタマおかしい

で、ほ乳類の中には「ヒト」も含まれていますね、という切り口で人間の生命の営みについての高説が始まるのでした。冒頭の馬のくだり、まったく要らないだろというツッコミをぐっと飲み込んで、神秘の世界を垣間見ることにしました。ちなみにこの時のわたしは対外的には、そういう知識の全くないキッチュな裏表のない良い子で通っていましたが、この保健体育もどきの性教育を受けたその日から、ダークサイドちるフラグを光の速さで回収していきます。

なお、最初はヒトのオスメスの体のつくりの違いから、人間の赤ちゃんの作り方(婉曲表現:オスメスバトル)~のようなステレオタイプの教育内容でしたが、途中からスイッチが入ったのか、血迷った保険医はヒトが赤ちゃんを作るには、お互いの愛がどうとか、感情が昂るとどうとか、事務的で義務的な種の保存としての内容からだんだんと精神世界へと主筋が逸れていきます。

当時、子供たちの間でにわかに流行っていたTV番組の中にとんねるずのみなさんのおかげですがありました。石橋貴明さん扮する保毛尾田保毛男という、青ひげに口紅、口調は妙になまめかしい、現代ではTwitter炎上の導火線になりかねないセクシャリティーやジェンダーの絡む、端的に言うとホモセクシャルをモチーフ(といってもあそこまで露骨なホモなんていないけど)にしたキャラクターが大人気で、男子たちはこぞって保毛尾田のモノマネをしていたのです。1998年に有森裕子さんの元旦那様ガブリエル氏が

「I was gay」発言をし、世の中にゲイ旋風が巻き起こるまで、子供たちの中では同性愛者の呼び名はホモだったのです。そして件のイカレタイカした保険医は、好奇心旺盛な女子児童の「ホモって正しくは何ですか。男が男を好きになるっておかしいと思います。子供も作れないし、意味がないと思います」という投げかけに、禁断のセリフを言い放ってしまいます。

「世の中には、それはそれは美しい同性愛もあります。すべてが保毛尾田のようにキモチ悪いわけじゃありません。見ていて感動する同性愛だってたくさんあるのです」

正確な記憶ではないけれど、大体のニュアンスはこんな感じだったと思います。保険医の言葉に首をかしげる児童たち。現在の世の中ならジェンダーフリーを求める声であったり、性転換や性同一性障害、そしてBLなどという情報があふれていますが、そのころはインターネットなどないTVが絶対的な情報源。TVからは保毛尾田くらいしか同性愛の知識は得られないですから、保険医の言い放った「美しい同性愛」がどんなものなのか、幾人かの児童は興味を覚えたようでした。

「じゃあ、美しい同性愛の例を見せてください」と一人の児童が言い放ちます。たしかヤスヨちゃんって子だったと思う。この子の一言が、保険医の心の奥底に秘められていた小さな火を、灼熱の炎換えてしまったのかもしれません。

「ちょっと資料を用意するので、5分ほど静かに待っていて下さいね」と、その場を去る保険医。この時誰かが「時間がもったいないので、あとで保健室に見に行きます」くらいの提案をするだけの勇気を持ち合わせていたらカタリナという名の腐女子は誕生していなかったかもしれない。

5分後に保険医が持ってきたのは、まごうことなき「BL小説」。たしか「マインドスクリーン」だったかと記憶していますが、挿絵が同人出身のイラストレーター兼漫画家の高河ゆん先生。当時で言うと鉄板のやおい小説。挿絵もBL、中身もBL、BL、BL。

この保険医、腐ってやがった。ヘルプミー。わたしはここにいます。

(後編に続く)