腹黒元副盟主のわななき

フリンテッサ鯖「xxxMZRxxx」血盟所属の腹黒い事務員カタリナのリネとは無関係の駄文集

【瞬間、心腐れて】

これは薄い書物を読み耽るだけだったわたしが、読むだけでは飽き足らなくなってしまった頃のお話。

 

それはまさに青天の霹靂。当時のわたしにはあまりにも唐突で、残酷な現実。

 

ゆかりちゃん(第4章後編参照)とともに腐り道に落ちた私に、思いもかけない出来事が降りかかりました。腐女子として覚醒した小学4年生の3学期末。私は両親に転校を伴う引っ越しの話をされます。

時はバブル末期、うちの父上は念願のマイホームを手に入れました。分譲ではあるけれど、庭付き一戸建て。同市内の外れにある広大なリゾーン。いわゆる新興住宅街というやつです。

本当は前年夏に購入は終わっていたのだけれども、年度の途中で転校を強いられるリナの心中を慮って、年度末に引っ越しを設定した両親。ちょうど弟も来年度から小学1年生となるし、タイミングは今しかないと思ってのことだったそうですが、薄い本談義ができる友達がゆかりちゃんと保健医しかいなかった私は当時それなりに落ち込んでいました。とはいえ、新しい学校に行けばあらたな戦友に出会えるかもしれない。そう自分に言い聞かせ、小学5年生の春から新しい学校に通うことになりました(ちなみに保険医からは餞別にBL小説3冊セットもらいました。アタマおかしい)。

 

転校初日、担任から自己紹介を促され、まさかやおい本を読むのが趣味とはいえず、「趣味は読書です」などと当たり障りのない挨拶をかわし、好奇の目で私を見る連中の様子を伺います。

 

「なんだこいつら」

 

が第一印象でした。学生時代に新興住宅街に引っ越し経験がある人ならわかるかもしれませんが、県内からいろんな人が集まるのが当時の新興住宅街でした。

育ってきた環境も違うし、地元愛みたいなものも皆無。とくに私の学校など開校2年目。言ってしまえば、転校生だけで構成された学校なのです。

転校を伴わないで6年間同じ小学校に通えば、仲良しグループ派閥のようなものが構成されて、大なり小なり諍いが生ずるものですが、ここにはそれがない。全員が転校生だからなのか、みんながみんな仲がいい。いじめなんか皆無。妙にフレンドリー。全員がキラキラしてやがりました。眩しい…眩しすぎる

腐女子というダークサイドに堕ちてしまっていた私には、屈託の全くない彼らの笑顔が眩しすぎて目を背けることしかできませんでした。

この先が思いやられる展開。この中から薄い本談義に花を咲かせる戦友を探すのは無理なんじゃなかろうか…。初日にしてそう思わされました。こんなことなら両親と離れ離れになってもスラム街のようなあの町に祖父母と住んでいればよかった(以前は祖父母の家に間借りして住んでいた)。などと悶々としているうちに、その年のクラブ活動を決めるアンケートが担任から配られます。前の学校では文化部が吹奏楽部しかなかったため仕方なくミニバス部にいたリナ(ほとんど見学)。今度の学校はどんなクラブがあるのかな、と一通り目を通していくと、文化部のラストに燦然と輝く文字が。

「漫画・イラストクラブ」

もうね、音速でここのクラブに決めていましたね。活動内容とかどうでもいい。活動と称して薄い本を校内で読み耽る背徳感、たまらん。何なら同じクラブに入った女子を腐らせて、ゾンビーズでも結成してやればいい…と、毎週水曜日の6時間目(クラブ)が楽しみになります。

そして待ちに待ったクラブ活動初日。ワクテカしながら教室に移動すると、期待とは裏腹に実際のところは女子部員が3人しかおらず、漫画読みたいだけの男子が15人という逆ハーレム状態。

のちのカタリナであればそこで逞しく男子たちを使って掛け算でもしそうなものですが、そのころはまだヒヨっ子。すみっこに追いやられてこそこそ薄い本を読んでいるのでした。しばらくは本を一時間読むだけのよくわからない活動が続きますが、ある日、いつもなら放置するだけの怠慢な担当の教師が黒板の前でのたまいます。

「来月の児童集会で、クラブの活動発表をします。ただ読んでいるだけです、とはいえませんから、皆さんの力作を描いて発表して全校児童を驚かせてあげましょう」

…描く?それまで読み専だったのに、突然部員全員に描くことを強要する教師。そりゃ、リナだっていっぱしのオタクですから、多少の絵の心得くらいはあるけれど、他人様に見せびらかすほどの絵なんて描いたことないです。まして、私の好みの絵って、オスとオスのわななきあいです。さすがに全校児童の前で腐女子炸裂させるわけにもいかない…と、その日からひと月の間、懸命に大衆受けするイラストの勉強をするリナ。何とか図1)くらいのイラストを完成させ事なきを得ます。この時にイラストを描くことに楽しさを見出してしまったリナ。クラブでは当たり障りのないイラストを、帰宅してからは腐ったイラストを…とこの後数年間はゲームしている時間以外はずーっとイラストを描いていました。上達はしませんでしたけど。

当然、6年生になっても同じクラブでイラスト三昧。残念ながら腐ったお友達は作ることができませんでしたが、下手くそながらも絵を描くことに無上の喜びを見出してしまったわたしは中学校に入学してもひたすらゲームとイラストレーション。二次元に恋をしたまま、ろくな恋愛もせず大人になったらどうなるのか…さすがに気の狂ったウチの両親も将来を心配していましたね。まぁ、私の方はというとその辺の女学生よりもはるかにディープな世界を知っていたのですけれど。

 ***

中学2年ともなると中二病真っ盛りになるのがオタク少女の宿星。その年の美術の授業は病んだ少女全開でしてね。その年から美術の先生が若い女性に変わったのですが、新任教師といっても過言ではないくらい若い女性。最初の授業からカオスな展開が待っています。4月から6月にかけてのテーマは「自己表現」。この曖昧なテーマで好きな絵を描けとほざきます。自分の好きな風景を描くもよし、ダリの抽象画のような奇をてらったものもよし。自画像でも、大事な人の肖像でもよし。自分の内面を自由に表現しよう、と。さて、困った。いっそオスとオスのわななきあいを提出してやろうかとも思いましたが、やはりそこは学生。倫理的にもアウトな内容を成績に直結する作品のテーマにするのは憚られます。

仕方ない、ここは本気で風景画の一つでも提出してお茶を濁そう。と、学校帰りの帰り道に見える夕暮れ時の風景を絵にします。わざわざ美術の授業のある前日にはスケッチに行き、授業では彩色する。どこにでもありそうな、まわりを緑に囲まれた大きな池とそこに浮かぶ小島、池の向こうの小高い丘には学校が見えるという水彩画でした。私の深層心理にはこんな風景これっぽっちもなかったけれど。

スパイスとして、

遠くの遊歩道を散歩するカップルは二人とも男にしておきましたけれど。

で、ともあれ作品を提出。すると若い美術教師は大層その絵を気に入ったようでその年の市の文化展覧会に出品しやがります。「まぁ、どうせどこにでもあるような風景画だし、私如きの画力じゃ誰もじっくり見ずに素通りするだろうし、放っておこう」と高をくくっていたのですが、事件が起こります。

教育委員会賞を受賞しました(‘Д’)

いや、お前たち本当にこの絵きちんと見たのか?モカップルが道を歩いているような絵だぞ。わかっていてこんな賞をくれちゃったのか?そうだとしたらほんと審査員のアタマおかしいと思う。市の美術館に飾られちゃったよ、ホモップルが描かれた絵が。そりゃ池の向こうの遊歩道だからちゃんとみないと男同士ってわからないけど、明らかに違和感あるでしょう。アリエナイ。

教育委員会の奴らと市の美術部員の連中は完全にアタマおかしい

そんなこんなで、私が描いた(ホモップルが遠くに見える)学校帰りの風景」は目出度く一か月間美術館に飾られることになり、学校で教師に受賞おめでとうと言われるたびに顔から火が出るほど恥ずかしい思いをする羽目になったのでした。マジであの美術教師アタマおかしい。

 

そんな私のトラウマ全開の風景を見て、ホモップルに気づいた人物がひとりだけいます。

「ねぇ…リナちゃんって…ホモ…好き?(ボソッ)」

『?!』

たまたま授業でペアワークを組んだナオミちゃんです。目の肥えた審美員や美術教師ですら気づかなかったホモップルに気づいたこの女、只者じゃない…

この子、小学時代はミニバス部で活躍していた活発な子で友達も多いし、なによりおしゃべりが大好き。彼女の周りは女子も男子も集まっていて、小さなうわさもこの子の耳に入れば5000倍には拡張して発信される歩く拡声器です。この子にやおい好きなんて知られたら、学年中にわたしの嗜好が知れ渡ってしまう…。

『いや…まぁ…』

「ねぇ、好き?」

ここで、別に好きじゃない、などと言ったところで、この女はわたしの描いたホモップルに気づいてこんな質問をしてきているに違いない。嘘つき呼ばわりされて、学年中に嘘つきのレッテルを貼られるのは避けたい…。どうするリナ…。

しばらく思案してから私の口から出た言葉は

『うん…まぁ…好き…かな』

終わった。私の中学生活。ホモ好きの異常者のレッテルを貼られ、卒業まで変態呼ばわりされるに違いない。男たちの狂宴とともに

 

しかし、予想に反して彼女の次の言葉は

やおい好きなんだね?」でした。

やおいだと…。「やおい(ヤマなし落ちなし意味なし)」なんて単語を知っているのは堅気の人間ではありません。……まさか、この女、腐ってる?

そう、彼女も腐り堕ちていました。しかも私より数段上の腐り方。

彼女、二次創作活動していました(白目)。

なんか福島のお友達とサークルまで作って、年二回ほど都内のイベントでグッズ販売までしているようです。ただし、グッズの方はやおいではなくて、健全な二次創作物。FFやらDQやらのキャラクターをモチーフにした便箋や封筒を作っては販売していたそうです。

小学5年生からずっと同じクラスだったのに今まで知らなかった…ということは隠れオタク。まさか、身近にこんな人が隠れていたなんて・・・。どうやら彼女はずっと私と話す機会を伺っていたようです。というより、サークルに私を勧誘するタイミングを虎視眈々と狙っていたようです。小学生のころからイラストを描き続けている私をみて様子をうかがっているときに、あのホモップルの絵を見てしまい、いてもたってもいられなくなったという…。

「わたしたち、運命共同体だね」

この後私は彼女のサークルになかば強引に入れられ、高校入学後、ナオミちゃんに彼氏ができるまでの間、創作活動を共にすることとなるのでした…。それにしても、60人しかいない学年に腐女子が二人もいたとは…。世の中狭い。まぁ、彼女とはホモの嗜好があまり合わなかったので、腐った創作物は世に出ていないのがせめてもの救いか…。

 

戯れに自身の変わった嗜好を人さまの目につくところに置くもんじゃない…と反省したリナでした。

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図1)昼休みに2分で描いた。